糖質制限は長期間するものではない
今のダイエット界では、「糖質制限」が主流で、炭水化物抜きをする風潮が見られますよね。
短期的には、それが功をなして10Kg減量できたー!
なんてよく聞きます。
実際、最初のうちはガンガン減量できる人もいますね。
そのうち糖質は悪だー!!
というような糖質悪説を唱える信者と化してしまう人も多いような気がします。
確かに糖質の取りすぎは、ガンの元になったり、あらゆる病気の原因の一つになることは確かです。
実は糖質制限を長期間していることで、糖質に耐えられない身体になってしまう恐れがあるのです。
糖質は種類を選べば悪いものではないと思っています。
本来、糖質は身体のエネルギー源として必要なものですし、いい糖質を選ぶことが大事です。
だって、日本人は昔からお米を食べてきて健康だったはずですから!
検査でパスしても見逃される血糖の異常がある
一般的な空腹時血糖や、ヘモグロビンA1Cの値は正常ですが、検査データからは分からない糖の代謝異常が起きていることがあるのです。
空腹時血糖は正常なのに、食事を摂ると異常に血糖値が上がり、そのあと下がりにくかったり、その反動でインスリンが出過ぎて下がりすぎてしまったりするということです。
簡単にいえば、血糖が一気に上昇して、そのあと急降下するというまるでジェットコースターのような変動をするということですね。
このジェットコースターのような変化が体にとても悪いのです。
高血糖と低血糖を繰り返してしまうため、体や精神面にも負担をかけて悪影響を及ぼしてしまうのです。
自分の血糖を見える化してみた
ふと自分の血糖測定をする機会があり、測定してみると、耐糖能異常があることがわかりました。
24時間血糖を測定できるフリースタイルリブレという機器を購入して、夜間に低血糖になっていることもわかりました。
リブレで自分の血糖の変動を自分の目で見える化させると
こんなに血糖が乱高下していたのか!
これが続くと近い将来糖尿病になってしまう!
それは絶対にいやだ。回避しなければ!
といやおうなしに思わされました。
そして、糖質を摂ること自体が怖くなりました。
その時、「糖質制限」について必死で勉強し、糖質をとらない生活が続きました。
糖質制限をして身体に変化が・・・?
最初は甘いものを一切とらない!主食もとらない!
というような生活をしました。
「糖質制限」ブームがまだまだ主流であり、みんなが糖質はなるべく控える!とする風潮があったため、その影響もありました。
やみくもに糖質を制限し、血糖値に良いといわれているものを試行錯誤しながら食べたり、運動を増やしたりしていました。
しかしみるみる体重は減っていくのですが、低血糖がひどくなっていく。
たまに糖質を食べるとグンと血糖が上昇する。
糖質制限は本当に血糖を改善するのか?
そこで疑問が湧いてきたのです。
・元々血糖をさげるインスリンというのは、体の中に備わっている標準装備ではないか。
・昔の人たちは、穀物を食べているのに糖尿病になっていないではないか。
となると現代の食事の糖の質が悪いのではないか?と考えるようになりました。
実際、長年糖質制限をしていた人たちは、少しの糖質を食べただけで、身体が糖に耐えられず、処理しきれなくなってしまうのです。
このことを耐糖能悪化と言います。
なぜ耐糖能が悪化する?
糖質制限は、血糖を一時的には、下げる効果はありますが、それが本質ではなかったのです。
糖質制限をしていた人は、OGTTブドウ糖負荷試験という、糖を処理する能力の検査結果が悪化していたりする結果は出ているのです。
耐糖能に異常がある状態というのは、膵臓のランゲルハンス島いう場所にあるα細胞とβ細胞の調整が上手くいっていない状態です。
これらを正常にすることが、耐機能異常を改善させるために必要なことです。
要は糖質を制限していたがために糖を代謝する働きが鈍ってしまうということですね。
糖質制限から目標を変えた
近年は、糖質制限自体が目標になっている人が多いように感じます。
コンビニでも低糖質スイーツとか、糖質オフ商品だとか。
最悪なのは、糖質オフにこだわりすぎて、体に悪い人工甘味料を取りすぎること。
低糖質商品は糖を減らした分、人工的な甘味を入れたり、なんらかの添加物が多いです。
それでは本末転倒だと思いませんか?
糖質を制限するという対症療法ではなく、本来の身体の糖代謝能力を発揮させることが大事だと気付きました。
栄養状態を改善すること、血糖を調節するホルモンの正常にすること。
これを目標にしています。
やり方を間違えてしまうと、逆に耐機能が悪くなる。
無知は怖いと思いました。日々勉強が必要ですね。
糖質制限をすると耐機能が低下するという研究結果は確かにあり、医者でも糖質制限推進派と否定派とで分かれています。
血糖を調節するホルモンに注目
医療業界では、糖尿病の患者さんには、血糖コントロールといえば、インスリンとの関係を重要視するのが常識になっています。
インスリンを出しすぎないようにとか、β細胞を酷使しないように、膵臓を休ませようとか。
実際看護師として糖尿病の患者さんにはそうやって説明していました。
今思うと勉強不足でしたね〜。でもドクターも同じこと言ってた。
しかし、血糖コントロールに関わるのはインスリンだけではありません。
グルカゴンとは・・・?
膵臓にはα細胞とβ細胞という細胞があります。
α細胞からは血糖をあげるグルカゴンが分泌され、
β細胞からは血糖を下げるインスリンが分泌されます。
最近は、このグルカゴンが暴走してしまうことで、血糖の上昇がさらに血糖の上昇を起こすということが分かってきています。
グルカゴンはインスリンと反対の動きをすると考えられているのですが、
実は、ある状況においては、肝臓からブドウ糖放出を促し、糖新生を促進させてしまうのです。
糖質制限をしていると、グルカゴンの働きが活発になるということです。
β細胞をあまりにも使わなすぎるとα細胞に変わってしまうそうです。
(これを聞いてコワ!と思いました)
糖質制限者と2型糖尿病は、グルカゴンの抑制が効かない状態なのです。
(なんと、糖尿病と同じ体とは・・・)
食事からのブドウ糖、肝臓からの糖新生のダブルで血糖値上昇してしまう。
(ちなみに鉄欠乏状態では、糖新生が活発化するらしいので、グルカゴンが暴走した状態といえますね。中性脂肪からブドウ糖を作るように促すのです。)
つまりグルカゴンを抑制しないといけなかったんです。
糖尿病の治療は、インスリンを改善させることだけではなく、このグルカゴンを抑制させることも同じくらい重要だったのです。
要するに、インスリンの働きを促進して、グルカゴンの働きを抑制すると血糖が改善するようになるというわけです。
ほーなるほどー。
じゃあ、インスリンだけを考えるんじゃダメだってことね〜・・・
私の体、ちゃんと治ってくれるかな〜。
インスリンとグルカゴンを上手に調節できればベスト
これらのホルモンを効果的に発揮できるようにするためには、どうすればいいのでしょう?
長くなりましたが よかったらつづきの記事を書きますのでお読みください。